JTB山北新社長にインタビュー、コロナ禍でソリューション事業尖鋭化へ

元欧州本社代表、スピード感や多様性を重視
未来は「デジタル先進企業」プラス「人財力」で

  • 2020年6月30日(火)

山北氏  JTBの経営トップが6年ぶりに交代した。6月30日付で新たな代表取締役社長執行役員に就任したのは、10数年に及ぶ欧州駐在で欧州本社代表を務めた後、今年1月には常務執行役員“特命事項担当”に就任していた山北栄二郎氏。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的拡大が続くなかで日本最大の旅行会社グループの舵取りを始めた山北氏は、まずはこの難局をどう乗り切るのか。そして、次の100年のための「第三の創業」と位置づける経営改革をどのように引き継ぐのか。単独インタビューで詳しい話を聞いた。

-社長就任と同時進行でCOVID-19の拡大が進みましたが、これまでの心境の変化をどのように振り返りますか

山北栄二郎氏(以下敬称略) 今回のコロナ禍のインパクトは極めて大きいが、経営改革に向けた基本的な考え方は変わらない。ただし各種施策のスピード感については、より加速する必要性を感じており、社長としての新たなチャレンジが1つ増えたと受け止めている。

 コロナ禍を経て社会のデジタル化は一層進み、リモートサービスなどがさらに取り入れられて、新たな時代が訪れるだろう。従ってJTBにおいても、デジタルプラットフォームの構築をいかに迅速に進めるかが、より大きな課題となってくる。

-COVID-19の影響により売上高1000億円、営業利益150億円を失った2019年度決算の発表時には、経営の最優先課題として「緊急コスト削減」と「抜本的構造改革」の2つが掲げられました

山北 海外旅行・国内旅行ともに需要が動いていないなか、広告宣伝費を含む変動費を大きく削減するとともに、現在は雇用調整助成金を活用して一部の社員を一時帰休させるなど、コスト削減に取り組んでいる。一方で手元資金の安定をはかるために、4月末には金融機関から800億円の借り入れと600億円の融資枠設定により、1400億円の資金を調達した。

 「構造改革」については、すでに過去2年間に渡って進めており、方向性は変わらない。大きなコスト要因だった旧来型の重いシステムを、新しいテクノロジーを活かしたシステムに切り替えてコスト削減をはかる。店舗に関しては、機能の見直しとデジタル化によるコスト軽減に取り組みたい。要員については3ヶ年の計画のなか、自然減のレベルで数を減らしてきており、今後の情勢のなかで判断していきたい。ただし、JTBにおける「人財」の重要性を考えれば、闇雲な人員削減はできないと考えている。

-今後の旅行需要の回復についてはどのように見ていますか

山北 4月から6月までについては全く旅行需要は動かず、業績は相当に落ち込んだ。しかし県を跨いでの移動が解禁となった6月19日以降は雰囲気も変わり、国内旅行中心に回復傾向が見ら、問い合わせや申し込みの数も増えてきた。一方で、海外旅行の回復は秋口以降と思われ、本格的な回復は来年度まで待たねばならないだろう。訪日旅行はさらに遅れると見ている。

 最初に需要が回復する国内旅行に関しては、各地域でさまざまなキャンペーンが始動し、今夏には官民をあげての「Go Toキャンペーン」も予定されているが、JTBも自社クーポンを使ったキャンペーンを始め、各地域の需要回復事業に参画している。需要回復の手応えはあると言える。

 加えて、JTBは全国47都道府県にDMCを展開し、地域振興スタッフが自治体と連携して地域商品の掘り起こしを行っている。今回の休業期間中には各地域の宿泊施設や観光施設、自治体が協力して商品開発に取り組んでいるので、国内旅行に関しては今後、色々な面白い展開が始まると期待している。

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