ZIPAIRは成功できるか-就航まであと9ヶ月、西田社長に聞く

2年目の黒字化に向け発信、中長距離LCCのスタンダードに
太平洋路線の開設前には「第3の路線」も

  • 2019年8月20日(火)

西田氏  日本航空(JL)の100%子会社のLCCであるZIPAIR Tokyoは、来年の5月14日に成田/バンコク(スワンナプーム)線を、7月1日に成田/ソウル(仁川)線を開設する。今年の7月には国土交通省から航空運送事業許可を取得し、8月には成田の使用ターミナルを第1ターミナル北ウイングに決定したところで、21年には第3の路線や、LCC初の太平洋横断路線の就航もめざす。運航開始まで1年を切った現在の状況や、中長距離LCCとして描く将来像、そして「成功」について、代表取締役社長の西田真吾氏に聞いた。

-現在の準備状況についてお聞かせください

西田真吾氏(以下敬称略) 7月5日に航空事業者としての許可をいただくことができたので、これからは航空会社として安全に飛行機を飛ばし、運航品質を高める準備に集中することになる。LCCだからといって品質を疎かにして良いはずはなく、お客様に喜んでいただきたいという姿勢に変わりはない。運航開始まで1年を切ったが、残りの時間ではその点に向けて邁進していきたい。

-「中長距離LCC」にこだわる理由について、改めてお聞かせください

西田 多くのLCCが国内線あるいは短距離の国際線を運航するなかで、ZIPAIRはあえて中長距離の国際線を担っていく。ヨーロッパでは中長距離LCCの淘汰が始まったと見られているが、その一方で大西洋横断路線におけるLCCのシェアは10%に近づいており、今後も拡大が見込まれている。

 我々はこの状況が、近い将来に太平洋路線でも起こるのではないかと見ている。太平洋路線に意欲を示しているLCCは他のアジア諸国にもいるが、今はまだ、どのLCCも実現していない。それなら我々が最初に実現し、太平洋路線においてもお客様に選択肢を提案していこうという考えだ。

 日本は北米とアジアの間にあることから、その地理的メリットを生かしていきたい。初年度に日本とアジアを結び、次年度に日本と北米を結ぶ。アジアから日本経由で北米を訪れる需要を取り込むだけでなく、その逆の需要も視野に入れている。

-そのようなビジョンを掲げた上で、まずはバンコク線と、短距離国際線の定番と言えるソウル線に就航しますが、理由をお聞かせください

西田 これまでにさまざまなLCCを研究してきたが、一般的な短距離LCCが運航頻度で勝負している一方で、我々は飛行機の稼働率を重視していく。離着陸の回数は減っても、機材が稼働している時間を伸ばすことが、お客様にLCCとしての価値を提供する“原資”になると考えている。

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