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香港、MICEにも利用できるユニークな素材
 

MICE関連の手配では細かい点まで配慮が行き届く組織に

 香港は、2008年11月にMICE専門組織「ミーティングス・アンド・エクセビション・香港」(MEHK)を立ち上げた。アジア各国ではタイ、シンガポール、マレーシアなどが専門組織を持ち、競争が激しくなっている。受け入れ側はその経済効果が高いことから、誘致に細心の注意を払える体制を整えている。

 香港ではMICE関連、特に日本からの要望が多いインセンティブに対応できる大型施設が揃う。会議場では香港島にある「香港コンベンション&エキシビション・センター(HKCEC)」、香港国際空港からすぐのアジアワールド・エキスポの2つがその収容能力の高さから有名。既に日本からの大型団体インセンティブ・ツアーでも利用された実績がある。

 そもそも香港がMICEにおける重点市場として日本を選んだ理由として、近隣国において経済規模が大きいだけでなく、4時間ほどの短いフライトと時差が1時間という地理的利便性、さらにオープンスカイの締結やチャーター便の規制緩和により、羽田発着の定期チャーター便の開設や地方空港からの渡航の機会が増加し、昨年12月現在で日本から週150便の直行便が就航するなど、アクセスの利便性があげられる。行政レベルで相互交流が活発になる素地が整えられつつある。

 ただし、MICEは個別のオーガナイザーのニーズを満たし、かつ迎え入れる全てのお客様に満足をしていただくことが必要。そのためには、手配を担当する旅行会社やオーガナイザーと細部に至るまでの横断的な手配を取りまとめる部署としてMEHKの活躍が期待される。

 インセンティブとして利用できる素材も香港には、ユニークなものが多い。たとえば、「アクア・ルナ」はビクトリア湾一周約45分でクルーズする80名収容の帆船で、団体でのチャーターも可能。120名の収容が可能な「スターフェリー・ハーバーツアー」とあわせて、香港の夜を楽しんでもらうプログラムとして活用できる。アクア・ルナはジャンク船だが、外見と異なり中は快適な座席やソファーが揃い、リラックスする場所もある。

 ソフト面でも団体の希望、要望によるが、チームワークの向上をはかるため、チームビルディング・プログラムとして、太極拳体験クラスを実施することができる。講師はグループが希望する場所に出張することも可能。今回の出題では、香港の観光名所でもあるピークタワーの屋外展望スペースで太極拳を実施することもできる。

 さて、問題の解答だが、展望スペースのウェスト・デッキは団体で貸し切り、ケータリングの手配ができる。ケータリングはピークタワー内のすべてのレストランから手配が可能だ。ピークタワー内には、和食レストランもあり、旅程中の食事手配のバリエーションを考慮した提案もできそうだ。