JAL、出張時のCO2排出 環境投資で相殺
日本航空(JAL)は1日、出張時のフライトに伴う二酸化炭素(CO2)の排出を森林事業などへの投資でオフセット(相殺)できる企業向けプログラムの提供を始めた。毎月社員の出張に伴う排出量を企業ごとに通知し、同等または一部のCO2を削減する環境投資をしてもらい、出張に伴う排出を削減できる。脱炭素を掲げる企業の利用を促す。
プログラムへの登録は無料で、登録企業には航空便の利用に伴うCO2排出量を月ごとにメールで知らせる。各社は希望すれば排出分を国内外の環境関連事業への資金提供で埋め合わせることができる。利用企業にはオフセットの証明書を発行する。
北海道や秋田県の森林管理事業のほか、スリランカの風力発電、中国のバイオマス発電などが投資先となる。日本の「J―クレジット」や米国の機関が認証する「VCS」など、第三者による認証を得た事業を対象とする。プログラムでは気候関連のデジタル技術を開発するチューズ社(ノルウェー)の技術を活用する。
JALは2009年に個人向けのカーボンオフセット事業を始めた。サプライチェーン(供給網)を含めたCO2の排出実質ゼロを目指す企業が増えており、出張に伴う排出を削減する需要も強いと見て企業向けへ拡大する。
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