タイ航空、2024年に債務超過解消へ 再生計画修正を申請
再建必要資金は半分に減額、リストラ効果や搭乗客数増加で
【バンコク=村松洋兵】経営再建中のタイ国際航空は1日、法務当局に事業再生計画の修正を申請したと発表した。債務の株式化(デット・エクイティ・スワップ)によって、2024年に債務超過を解消することを柱とする。新型コロナウイルス対策の渡航制限が緩和され業績が回復しており、再建が25年ごろに完了するとの見通しも明らかにした。
再生計画の修正は裁判所の承認を得たうえで、8~9月ごろに債権者集会を開いて同意を得たい考えだ。主要債権者であるタイ政府の保有債権については元金の全額を、金融機関などが持つ債権については元金の一部を、それぞれ株式化する。債務の株式化を含む一連の手続きで資本金を800億バーツ(約3000億円)増やし、債務超過を解消する。
従来の再生計画では事業継続に500億バーツの追加資金が必要としていたが、修正案では250億バーツに減額した。従業員削減や資産売却によるリストラ効果に加え、渡航制限の緩和で旅客数が増えキャッシュフローが改善した。
6月の1日当たりの平均搭乗客数は1月に比べて6倍の約1万2600人、搭乗率は同40ポイント高い75%となった。記者会見した再生計画管理者のピヤサワット氏は「コロナ前の水準に近づいており、再建を当初の予定より早められる」と述べた。
タイ航空は20年5月にタイの破産法に基づく事業再生手続きの開始を申請した。21年6月に裁判所から承認を受けた再生計画は期間を5年とし、最長2年延長できるとしていた。
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