5月の求人広告48%増 観光業、訪日客見すえ採用強化
人材サービス会社でつくる全国求人情報協会(全求協、東京・千代田)が24日発表した5月の求人広告件数(週平均、職種別)は、前年同月比48・8%増の119万7161件だった。増加は13カ月連続。人手不足を背景に飲食店や娯楽施設などで求人数が増加。インバウンド(訪日外国人)受け入れ再開などを見すえ、観光産業で採用強化の動きが広がった。
職種別では、サービス業種の求人増加が目立った。飲食店のホールスタッフなどの「給仕」は前年同月比93・8%増の15万3538件、「調理」も78・3%増の11万7475件となり全体を押し上げた。
3月下旬に新型コロナウイルス感染対策の行動制限が解除されて以降、飲食各社は通常営業の再開に向けて求人を増やしている。人手不足を背景にスタッフの入れ替え時期にあたる3~4月に十分に人手を確保できなかったケースも多く、採用活動を継続している。
国内の旅行需要回復やインバウンドの受け入れ再開を見据えて観光関連の求人も増えた。娯楽施設のスタッフなどの「接客」は71・6%増の7万3612件、販売スタッフなどの「販売」も35・4%増の20万2575件だった。
「事務」は48%増の8万8091件だった。新型コロナの感染者数減少を受けて、各社で事業活動の正常化に向けた動きが本格化。商品の受発注業務や見積書の作成などを担う事務職のスタッフを新たに雇用する動きが広がった。
エン・ジャパンの中島純執行役員は「リオープン(経済再開)が進み、飲食店などでは客足の回復をにらんだ採用活動が6月以降も活発になる」と指摘する。「原料高で物価が上昇するなか、今後は世帯年収を引き上げるため主婦層が就業するなど働き手が広がってくる可能性がある」と話している。
新型コロナウイルスの感染症法上の分類が2023年5月8日に季節性インフルエンザと同じ「5類」に移行しました。関連ニュースをこちらでまとめてお読みいただけます。
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