世界の航空業界、今年の赤字縮小へ=IATA

世界の航空業界、今年の赤字縮小へ=IATA
6月20日、国際航空運送協会(IATA)は、航空業界が新型コロナウイルス禍から急速に回復しており、今年の赤字額が縮小すると予想、来年には黒字を計上できる可能性があるとの見方を示した。チューリヒの空港で15日撮影(2022年 ロイター/Arnd Wiegmann)
[ドーハ 20日 ロイター] - 国際航空運送協会(IATA)は20日、航空業界が新型コロナウイルス禍から急速に回復しており、今年の赤字額が縮小すると予想、来年には黒字を計上できる可能性があるとの見方を示した。
今年の世界の航空会社の赤字額の予想は97億ドル。昨年の421億ドルから大幅に改善する見通しだ。従来予想は116億ドルだった。
昨年の赤字も従来予想の520億ドルから縮小した。
IATAのウォルシュ事務局長は年次総会で「航空業界はスリムに、タフに、敏捷になった。来年の業界の業績が黒字になる可能性が見えてきた」と述べた。
地域別では北米が依然として最も好調で、唯一今年黒字を計上する見通し。黒字額の予想は88億ドル。
アジアは89億ドルの赤字の見通し。ゼロコロナ政策で中国の航空市場が低迷している。
航空業界では、新型コロナの流行で消滅していた旅行需要が急増。空港や航空会社は人員を増やしている。一部のアナリストは、北半球の夏が終われば、需要が急減するのではないかとの懸念を示している。
ウォルシュ事務局長はインタビューでこうした懸念を一蹴。「現在、一部の累積需要が顕在化しているが、2019年の水準は依然として大幅に下回っている。今後の需要鈍化を議論する前にさらに大幅な需要拡大を期待できる」と述べた。

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