関西エアポートの22年3月期、2期連続の最終赤字
関西国際空港など関西3空港を運営する関西エアポートが13日発表した2022年3月期の連結決算は、最終損益が302億円の赤字(前の期は345億円の赤字)だった。航空機の利用者は国内線を中心に回復したが、新型コロナウイルス禍前まで利用者の5割近くを占めていた国際線の減少が響いた。国際貨物便は好調だったものの、補えなかった。
売上高に当たる営業収益は前の期比16%増の664億円だった。3空港全体の旅客数は39%増の1289万人とコロナ禍の影響が少なかった20年3月期と比べて7割減の水準となった。空港別では大阪国際(伊丹)や神戸空港ではコロナ前の5割減の水準だったが、国際線主体の関西国際空港は9割減と落ち込みが目立つ。
コロナ禍の長期化を受け、関西エアの現預金は745億円と2年で535億円減った。同社が国側に支払う年間370億円の運営権対価や、26年まで続く関西空港の第1ターミナル改修の工事費などの負担が重い。関西エアの山谷佳之社長は「今後の資金調達はその時々にステークホルダーと検討するが、足元で資本が不足している状態ではない」と話した。
もっとも、足元では政府が訪日外国人の受け入れ制限を緩和するなど明るい兆しも出ている。山谷社長は「今期は赤字が残る可能性が高いが、国際線は年後半から回復が本格化する」と期待を話した。
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