米デルタ航空、NYで新ターミナル公開 5200億円投資
【ニューヨーク=大島有美子】デルタ航空は1日、主要拠点のひとつであるニューヨーク州のラガーディア空港で新装した旅客ターミナルを報道陣に公開した。同日には2022年4~6月期の業績予想を上方修正し、売上高が新型コロナウイルス禍前の19年4~6月期と同水準に戻る見通しを明らかにした。増加する夏の旅行需要を取り込む。
新たな旅客ターミナルは4日から順次、一般利用を始める。デルタは17年、ラガーディア空港で使用する2つのターミナルを統合する工事を始めた。同空港の運営者であるニューヨーク・ニュージャージー港湾局と提携し、総工事費は40億ドル(約5200億円)にのぼる。新ターミナルは37の発着ゲートを抱える。
式典に登壇したエド・バスティアン最高経営責任者(CEO)は「新ターミナルは我々の顧客を増やす重要な場所だ。パンデミック(世界的大流行)下で退職した人も含め、あらゆる従業員に感謝したい」と述べた。建設途中の部分は24年に完成する予定だ。コロナ禍で旅客が急減するなか、工期を2年前倒しした。
窓から自然光を取り入れやすくして環境に配慮した設計とした。建設担当のマネージング・ディレクター、ライアン・マズーロ氏は「ニューヨークの利用者はスピードと効率を求める」と述べ、チェックインから保安検査、ゲートまでの動線を意識したという。ラウンジも各席に電源を設置するなど、ビジネス利用客の需要を満たせるようにした。
米国ではコロナ禍で消費者が先延ばしした「リベンジ旅行」を含めて夏の旅客需要が大幅に伸びる見通しだ。航空会社によっては人手が足りずに減便する動きも出てきているが、デルタのバスティアンCEOは「人手の確保は十分にできており、今後も採用を続ける。歴史的な需要急増に対応できる」と述べた。
デルタは同日、22年4~6月期の業績見通しを上方修正した。従来は19年同期比で3~7%減としていた売上高が同水準に戻るとの見通しを示した。予想通りになれば、新型コロナの感染拡大前の水準を初めて回復する。燃料費の上昇は当初の想定より大きく、1ガロン(約4リットル)あたりの燃料費の想定は約1割引き上げた。
新型コロナウイルスの感染症法上の分類が2023年5月8日に季節性インフルエンザと同じ「5類」に移行しました。関連ニュースをこちらでまとめてお読みいただけます。
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