山梨県、空港新設に向け検討開始 リニアと連携

山梨県の長崎幸太郎知事(渡辺浩撮影)
山梨県の長崎幸太郎知事(渡辺浩撮影)

山梨県の長崎幸太郎知事は26日の定例記者会見で、県内での空港整備に向けて検討を始めると明らかにした。JR東海が建設中のリニア中央新幹線は、令和9(2027)年の開業が危ぶまれているものの、甲府市内に建設予定の山梨県新駅と東京・品川駅は最短24分で結ばれる。県は、リニアによる東京都心とのアクセスのよさを生かし、小型旅客機を受け入れる空港とすることで、航空と鉄道の高度の連携を模索している。

県は今後、航空や交通分野の専門家らが加わった研究会を組織し、事業の可能性や課題面を探る。空港はリニアの新駅近くに整備し、プライベートジェットの利用や、48人乗り以下の小型機などの離着陸を想定。航空会社の定期便も受け入れていく。

県内では過去にも空港整備の検討が進められてきたが、採算面などで進まなかった。県は今回、リニアを生かした新しい形態での空港として、将来性があるとみている。

長崎氏は、南アルプスを通る静岡工区の未着工問題で品川-名古屋の開業時期が見通せない中、空港整備による航空路線との連携が、品川-甲府の部分先行開業にもつながるとしている。

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