ミドリムシのバイオ燃料で飛行 大阪・八尾空港で

航空測量業界では国内初

バイオ燃料を充塡し、八尾空港を飛び立つ小型航空機=大阪府八尾市
バイオ燃料を充塡し、八尾空港を飛び立つ小型航空機=大阪府八尾市

航空測量業界としては国内で初めて、ミドリムシなど植物由来のバイオ燃料を充塡(じゅうてん)した航空機の飛行が、大阪府八尾市の八尾空港を発着点に行われた。SDGs(持続可能な開発目標)を踏まえた取り組みの一環で、環境に配慮したバイオ燃料の利用拡大が期待される。

地図用の航空画像撮影などの事業を展開するアジア航測(本店・東京都新宿区)が先月実施した。

8人乗り小型航空機「あおたか」が同空港を飛び立ち、四国や瀬戸内海の小豆島上空をまわり、約1時間10分後に同空港へ帰還。同社はバイオ燃料を使った航測事業を「可能な限り増やす」と説明した。

使われたバイオ燃料は平成17年、世界で初めてミドリムシの食用屋外大量培養技術確立に成功したバイオベンチャー、ユーグレナ(東京)が製造した。

初飛行に使われたバイオ燃料。ミドリムシ由来の油脂や使用済み食用油が原料だ
初飛行に使われたバイオ燃料。ミドリムシ由来の油脂や使用済み食用油が原料だ

光合成で二酸化炭素(CO₂)を吸収するミドリムシ由来の油脂や使用済み食用油が原料となる。CO₂排出量を増やさない環境にやさしい燃料という。

だが、普及には課題も残る。ユーグレナのバイオ燃料は生産量がまだ少ないため、一般的な航空燃料より高価。同社は需要を探りながら「2025(令和7)年を目標に商用プラントを立ち上げ、生産量の拡大を図る」としている。

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