JTBとベネフィット・ワンが相互営業
JTBと福利厚生代行大手のベネフィット・ワンは29日、4月から相互営業を始めると発表した。JTBが法人顧客にベネ・ワンの福利厚生商品を紹介する一方、ベネ・ワンは顧客にJTBの旅行商品を割引価格で販売する。両社は2021年8月に事業提携しており、法人顧客のネットワークを生かして収益拡大につなげたい考え。
JTBは21年10月に国内業界3位だった子会社、JTBベネフィット(東京・江東)をベネ・ワンに150億円で売却した。新型コロナウイルスの影響で旅行事業が低迷しており、事業構造改革の一環だった。JTBベネフィットを取得したベネ・ワンは福利厚生代行市場で国内首位に浮上した。「ベネフィット・ステーション」などのサービスで約1千万人の会員を抱える。
福利厚生代行は、企業が従業員に提供する福利厚生をまとめて請け負うサービス。利用者は飲食店やレジャーなどを優待価格で利用できる。今後、JTBの旅行商品をベネ・ワンのウェブ上で紹介する。JTBは法人の課題解決を担う「ソリューション事業」を強化しており、顧客に対してベネ・ワンのサービスを代行で営業する。
JTBの国内店舗はベネ・ワンのサービス利用者を対象に、海外旅行代金を3~5%割引する。新型コロナ禍後の旅行需要を獲得したい狙い。