フィリピン航空、1500便を増便 観光再開で日本路線も
【マニラ=志賀優一】フィリピン航空は3月の国際線と国内線を合わせた運航便数をこれまでより1500便以上増やすと発表した。同国では新型コロナウイルスの感染者数が減少し外国からの観光客受け入れも再開した。渡航需要の高まりに対応し収益改善につなげる考えだ。
同社によれば定期便は5割以上増える。国際線は北米のほか東南アジア、日本、中東などへの便を増便する。国内線もマニラと中部セブや南部ダバオ、リゾート地のボラカイ島などを結ぶ路線で増便する。
フィリピンはこれまで厳しい渡航制限を敷いてきたが、2月10日に新型コロナワクチンの接種完了などを条件に外国人観光客の受け入れを再開した。国内の1日あたりの新規感染者数も数百人程度まで減少し、マニラ首都圏などの移動・行動制限は5段階のうち最も低い水準まで引き下げた。増便を通じて観光需要を高めたい考えだ。
同社は2021年9月に米国で連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を申請した。財務面の再建にはめどがつき、今後は業績回復が喫緊の課題だ。1月末に就任したスタンレー・ナン社長兼最高執行責任者(COO)代理は「空の旅が今後数カ月で回復しフィリピンの観光業が復活の兆しを見せることを楽観視している」とコメントした。
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