カナダ、国民に海外渡航の自粛勧告 オミクロン感染拡大で

[オタワ 15日 ロイター] - カナダ政府は新型コロナウイルスのオミクロン変異株の感染拡大に対応し、国民に不要不急の海外渡航を控えるよう勧告した。各州はワクチン接種を加速しているが、市民のコロナ疲れに配慮して行動制限を緩める州も出ている。
カナダ全土のコロナ新規感染者の7日間平均は10月1日以来の高水準となった。国内の病院は感染ピーク時に先送りしていた業務の処理に追われ、医療従事者の疲労も強く、感染者が再び急増しても対応に苦慮するとみられる。
デュクロ保健相は記者会見で「今は旅行する時ではない」と強調。国内でオミクロンの市中感染が起きているのは明白だとした。
トルドー首相は国民に公衆衛生に関する勧告に従うよう促し、年末休暇シーズン中の慎重な行動と子どものワクチン接種を呼び掛けた。
カナダ政府は新型コロナウイルスのオミクロン変異株の感染拡大阻止に向け、国民に不要不急の海外渡航を自粛するよう勧告する見通しと、政府筋が15日明らかにした。写真は11月28日撮影(2021年 ロイター/ Sumaya Hisham)
最も人口の多いオンタリオ州は今週、18歳以上のワクチン追加接種を開始する。接種2回目と3回目の間隔は6カ月から3カ月に縮める。
同州はまた、スポーツやコンサートなど屋内イベントの収容人数制限を導入。州政府職員のオフィス復帰も中断する。
一方、アルバータ州はコロナ疲れを理由に、私的な集まりの制限を緩めた。
カナダは10月、ワクチン接種が進展したことを踏まえ、2020年3月から続いていた不要不急の渡航の中止勧告を解除したばかりだった。

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