ホテル業界のCEOたちはやっと理解した…劣悪な労働環境に改善の兆し

Americans are quitting their jobs over wages, benefits, and working conditions - which are all notoriously poor in the hotel industry.

アメリカ人は賃金、福利厚生、労働条件を理由に仕事を辞めている。ホテル業界ではこれらの条件がとても悪いことが知られている。

Joe Raedle/Getty Images

  • ホテルのCEOたちは、業界によい賃金と福利厚生が必要であることをようやく認めるようになった。
  • パンデミックの影響で雇用は激減し、ホテル業界の平均賃金は他の産業に比べて低い水準にある。
  • マリオット・インターナショナルのCEOは、スタッフの復帰を促すために「我々には取り組むべき課題がある」と述べている。

ホテル業界は長年にわたり続く低賃金、長時間労働、貧弱な福利厚生によって、スタッフの採用に苦しんでいる。

業界ニュースサイトのスキフト(Skift)が報じたところによると、ニューヨーク大学(New York University)が主催したホスピタリティ業界のカンファレンスで、ホテルチェーンのCEOたちは、労働力不足を解消するために従業員への給与の支払い方法を見直す必要があることを認めているという。

アメリカでは、ホテル業界の賃金、福利厚生や労働条件の悪さを理由に労働者が仕事を辞めてしまい、膨大な労働力不足に陥っている。ホテル業界はこれらが劣悪なことがよく知られている。

アメリカ労働統計局(BLS)の2021年10月の速報値によると、新型コロナウイルスのパンデミック前に比べて、ホテル業界の労働者数は約30万人減少している。

ベストウェスタン(Best Western)やシュアステイ(SureStay)などのホテルブランドを擁するBWHホテルグループ(BWH Hotel Group)のデヴィッド・コン(David Kong)CEOは、2021年11月8日のカンファレンスで「ホテル業界は給料が高いわけでも、福利厚生が充実しているわけでもない」と認めたとスキフトは報じている。

マリオット・インターナショナル(Marriott International)のアンソニー・カプアーノ(Anthony Capuan)CEOは、2021年11月3日に行われた同社の決算説明会で、「我々は労働力に関していくつかの課題を抱えている」と述べた。スキフトの報道によると、カプアーノは11月8日のカンファレンスで、ホテル業界への人々の復帰を促すために「我々はいくつかの重い課題に取り組まなければならない」と発言している。

フロリダ・アトランティック大学(Florida Atlantic University)のホスピタリティ&ツーリズム・マネージメント課程の責任者、ピーター・リッチー(Peter Ricci)は「ホテル業界の初任給が他の業界に近づけば、競争が可能になる」と以前Insiderに語っている

人手不足を背景にアメリカの企業は賃上げを行っており、BLSの速報値によると宿泊サービス業の非管理職のスタッフの平均時給は、2021年1月には15.60ドル(約1764円)だったが、同年9月には18.17ドル(約2054円)まで上がり、過去最高額を記録している。

また、スタッフの雇用と維持のために、入社時のサインオン・ボーナス(契約金)や無料宿泊のような特典を提供しているホテルもある。

しかし、賃金の面ではまだ他の業界を大きく下回っているのが現実だ。BLSの季節調整済みデータによると、2021年9月の民間雇用における全産業の非管理職のスタッフの平均時給は、ホテル業界より約50%高い26.16ドル(約2957円)だった。

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