沖縄県の観光収入、20年度2485億円 コロナ禍で64%減
沖縄県が発表した2020年度の観光収入は、前年度比64.7%減の2485億円だった。新型コロナウイルス禍に伴う観光客の減少で、1972年の本土復帰以降で最大の下げ幅となった。一方、観光客1人当たりの消費額は34.3%増の9万9956円となった。県はコロナ禍でホテルなどでゆっくり宿泊を楽しむ旅行客が増え、滞在日数が伸びた影響と分析した。
観光収入は例年、県内の空港でのアンケート調査を基に計算する。20年度上半期は新型コロナの影響で調査ができず、前年同期の消費単価から推計した。下半期はウェブ上で答える方式で実施した。従来と調査手法が異なるため「試算値」として公表した。
海外から沖縄に訪れる外国人客はゼロだったため、国内客のみで集計した。20年度の入域観光客数は前年度比72.7%減の258万3600人となり、観光収入全体を押し下げた。一方、1人当たりの消費額では「宿泊費」が44.1%増の3万7748円と高い伸びを示した。平均滞在日数は0.47日長い4.17日になった。
同時に発表した9月の入域観光客数は、前年同月比10%減の20万4900人だった。同月末まで続いた緊急事態宣言が響いた。新型コロナ感染拡大前の19年9月比では74.7%減だった。