アメリカン航空は2022年から、マイレージプログラム「AAdvantage(アドバンテージ)」の会員ステータス獲得方法を変更します。獲得したポイント(マイル)に応じ、上級会員になり、さらに資格も上昇するシンプルな形態にします。マイレージプログラムの元祖としても知られる「AAdvantage」は、この変更により飛行機に搭乗しなくても上級会員の資格を取得できるようになります。今後、他のマイレージプログラムへの波及、フライトを重ね上級会員の資格を得る「修行」への影響がどの程度及ぶのかも注目されます。
AAdvantageの上級会員資格の取得はこれまで、(1)マイル数または対象区間のフライト数いずれかと、(2)アメリカン航空の航空券購入の対象ドルの条件2つを満たす必要がありました。2022年からスタートする新たな制度は、これらの条件は無くなります。フライト、AAdvantageクレジットカードの使用、またはホテルなどAAdvantageの提携パートナーを利用して獲得したポイントに応じて、上級会員を獲得できるようになります。
アメリカン航空は、この変更でフライトすることなくとも、オンラインショッピングや外食で上級会員へのポイントを獲得できるように変更し、コロナ禍を経た利用者の生活スタイルの変更に対応し、新たな会員獲得にもつなげます。
会員ステータスは、ゴールド、プラチナ、プラチナ・プロ、エグゼクティブ・プラチナの順で上位になる4種類で変わりません。ワンワールドのステータスとの関連では、ビジネスクラスチェックインを利用できるルビーはAAdvantageのゴールド、ラウンジ利用ができるサファイアはAAdvantageのプラチナ、ラウンジやセキュリティ・レーンの優先ラインを利用できるエメラルドはAAdvantageのプラチナ・プロ以上です。
■2022年の上級会員資格 取得ポイント数とワンワールドの関係AAdvantage | ワンワールド | ポイント数 |
---|---|---|
ゴールド | ルビー | 30,000 |
プラチナ | サファイア | 75,000 |
プラチナプロ | エメラルド | 125,000 |
エグゼクティブプラチナ | エメラルド | 200,000 |
一連の変更で、フライト数が関わるのは、プラチナ・プロ以上の会員がAAdvantage独自特典のロイヤルティ・チョイス・リワード(以前はエリートチョイスリワード)でラウンジ「アドミラルズ・クラブ」の1日利用券、アップグレード、ボーナスAAdvantageマイルなどを選択する場合に限られます。これらの特典を利用する際、アメリカン航空または提携航空会社で少なくとも30フライト以上の搭乗が必要です。
フライトが上級会員の資格取得に大きく関わることが無くなり、「修行」のため機内で過ごすこと、特典航空券を利用したファーストクラスの利用なども含め、マイル獲得・利用方法の楽しみ方も少し変わっていきそうです。