米デルタ航空の7~9月、純利益1400億円 国内需要が回復
【ニューヨーク=大島有美子】米デルタ航空が13日発表した2021年7~9月期決算は最終損益が12億ドル(約1400億円)の黒字(前年同期は53億ドルの赤字)だった。最終黒字は2四半期連続。米国内線を中心に旅客需要が回復し、売り上げを押し上げた。一方、燃料価格の上昇が今後の収益を圧迫し、10~12月期は再び赤字に転落する懸念がある。
純利益は新型コロナウイルス流行前の19年7~9月期比で19%減った。売上高は19年と比べ27%減の91億ドルだった。コロナ禍に入った20年1~3月期以降は売上高の急減で5四半期連続で赤字を計上していたが、21年4~6月期に黒字転換した。
エド・バスティアン最高経営責任者(CEO)は「従業員は忙しい夏を過ごした」と述べ、人の往来が回復しているとの認識を示した。コロナ禍で旅客収入は一時前年比約9割減まで落ち込んだが、21年7~9月期は19年の37%減まで戻った。特に国内線(同28%減)や国際線の中南米路線(16%減)が回復をけん引した。
10~12月期は燃料高が逆風になる。「需要回復は続くものの、直近の燃料価格の上昇が収益を圧迫している」(バスティアン氏)という。デルタは同期間の平均燃料価格が1ガロン当たり2.25~2.40ドルと、7~9月期(1.97ドル)より2割ほど上がると予測する。
米アライアンス・バーンスタインの航空アナリスト、デービッド・バーノン氏は「年末休暇の旅行需要は非常に力強くなる」との見方を示す。需要増に応じて便数を増やすが、「燃料費の大幅な増加に売り上げの回復が追いつかず、収益を圧迫するだろう」(米コーウェンのヘレン・ベッカー氏)との声も上がる。
原油高が収益の改善に水を差すとの見方から、13日の米株式市場でデルタの株価は一時前日比5%近く下げた。アメリカン航空やユナイテッド航空にも売りが広がった。
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