神奈川県、20年の観光客50年ぶり低水準 コロナ影響
神奈川県は16日、2020年に県内を訪れた観光客数が1億849万人だったと発表した。新型コロナウイルスの感染拡大によるイベント中止や旅行の手控えが広がり、過去最多を記録した19年から一転して47%減となった。下落幅は1961年の調査開始以来最大で、観光客数は70年以来50年ぶりの低水準に落ち込んだ。
入込観光客数は新型コロナの影響が深刻化した20年3月ごろから急速に減少。大型連休のある同年5月は前年の1割程度まで減少した。その後は旅行需要喚起策「Go To トラベル」などの効果で秋口に回復したものの、年末にかけて感染の再拡大で減少幅も拡大した。
観光客数が最も多い横浜・川崎地域(55.7%減)は、19年に横浜市でラグビーワールドカップ(W杯)が開催されるなどして集客に寄与したが、20年は新型コロナの影響で多くの集客イベントが中止に追い込まれ大幅な客数減となった。湘南地域は47.2%減、箱根・湯河原地域は31.5%減といずれも減少し、全ての地域が前年を下回った。
21年もコロナの影響が続くなか、先行きの不透明感が根強くなっている。担当者は「国の統計では前年より観光客が回復する月もあったが、20年のGo To トラベルの反動もある」としている。自粛の長期化に加えて足元で急速に感染が拡大し、観光業界の経営環境はより厳しくなっている。