欧州LCCライアンエアー、過去最大の赤字 1350億円
【ロンドン=佐竹実】欧州格安航空会社(LCC)最大手のライアンエアー・ホールディングス(アイルランド)が17日発表した2021年3月期決算は、最終損益が10億1500万ユーロ(約1350億円)の赤字(前の期は6億4800万ユーロの黒字)だった。新型コロナウイルスの感染拡大で運航が止まり、創業約35年で最大の赤字となった。
売上高は前の期比81%減の16億3500万ユーロ、旅客数も同81%減の2750万人だった。同社は「欧州の多くの政府が調整や事前通告もなく、フライトの禁止や旅行制限を課した。常に変化する政府の指針や制限が、乗客や従業員に混乱と不確実性をもたらした」とコメントした。
欧州ではワクチン接種が進み、感染は落ち着きつつある。英国では17日からポルトガルなどへの国外旅行が解禁された。マイケル・オライリー最高経営責任者(CEO)は同日、「旅客需要は夏にかけて回復し、10月にはパンデミック前の8~9割の水準に戻る」と述べた。
同社は20年12月、米ボーイング737の発注を135機から210機に増やした。新機材によって1便当たりの座席数を増やし、燃料効率を高めることで他の航空会社と差別化する。今後5年で、年間旅客数を2億人まで増やす計画だ。
新型コロナウイルスの感染症法上の分類が2023年5月8日に季節性インフルエンザと同じ「5類」に移行しました。関連ニュースをこちらでまとめてお読みいただけます。
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