バルセロナなど南欧各地で数千人がデモ、オーバーツーリズムに抗議

南欧の複数の都市で15日、数千人がオーバーツーリズム(観光公害)に抗議する街頭デモを行った。写真は、スペインのバルセロナで水鉄砲を発射するデモ参加者(2025年 ロイター/Bruna Casas)
[バルセロナ/マドリード 15日 ロイター] - 南欧の複数の都市で15日、数千人がオーバーツーリズム(観光公害)に抗議する街頭デモを行った。
スペインのバルセロナではデモ参加者が店舗の窓に水鉄砲を発射したり、煙を発生させたりした。またオーバーツーリズムに反対するスローガンを掲げたプラカードを手に「あなたの休暇、私の苦悩」と叫んだ。さらにポルトガル、イタリアの団体とも協力して、制御不能な観光が住宅価格を急騰させ、人々を地域から追い出していると訴えた。
人口160万人を抱えるバルセロナには昨年2600万人の観光客が訪れた。
市の当局によると、デモの参加者約600人が、水鉄砲を発射したほか、店舗の窓やホテルに「地域の自衛、観光客は帰れ」と書かれたステッカーを貼るなどしたという。
デモ参加者の1人はロイターに「地元が迷惑を被っていることに心底うんざりしている。解決策は観光客数を急激に減らし、市を繁栄させる別の経済モデルに期待をすることだ」と語り、観光業が雇用やにぎわいをもたらすという意見に否定的な見方を示した。
類似の抗議活動は、スペインのイビサ島、マラガ、パルマデマヨルカ、サンセバスチャン、グラナダ、イタリアのジェノバ、ナポリ、パレルモ、ミラノ、ベネチアなどでも行われた。
バルセロナ市当局は昨年、2028年までに観光客へのアパート賃貸を禁止し、住民が住みやすい街にする方針を表明している。
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