JR肥薩線の利用増へ、定期代助成や新たな観光列車導入…熊本県とJR九州などが「復興アクションプラン」
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2020年7月の九州豪雨で被災したJR肥薩線を巡り、熊本県とJR九州は31日、運休が続く同県内の八代―人吉駅間(52キロ)の復旧について最終合意した。同区間の15駅のうち、3駅を廃止して33年度頃に復旧させる。被災から5年を控え鉄路復活が決まった。同社は25年度から復旧に向けた設計などに着手する。

県と同社に国も含めた検討会議は熊本市内で行われた。県などによると、19年度の利用者が1日平均0~1人の瀬戸石(八代市)、海路(芦北町)、那良口(球磨村)を廃止し、12駅で再開する地元自治体の提案にJR九州が同意した。

検討会議はこの日、肥薩線を持続可能な路線とするため、利用増に向けて地元自治体などが取り組む「復興アクションプラン」も決定した。同社と県、地元自治体などは近く、取り組みの
プランには日常利用策として、〈1〉コミュニティーバスや乗り合いタクシーなど二次交通の確保〈2〉新幹線の駅でもある新八代駅への直通運転〈3〉利用者への定期代の助成――などを盛り込んだ。観光利用では、施設整備のほか、新たな観光列車の導入などに取り組む。
官民の初期投資を約114億円、運営費は40年度までの累計で64億円とした。これらにより、八代―人吉駅間の1キロあたりの1日の平均利用者数を、414人(19年度)から600人まで増やすことを目指す。