九州発 西部本社編集局

世界を旅しながら働く「デジタルノマド」の新たな聖地・福岡市に脚光…行政後押し「ビジネス創出に期待」

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「海が見える環境が気に入っている」と話すチョンさん(25日、福岡市西区で)=中山浩次撮影
「海が見える環境が気に入っている」と話すチョンさん(25日、福岡市西区で)=中山浩次撮影

 世界中を旅しながら働く人々「デジタルノマド」の新たな聖地として、福岡市が脚光を浴びている。大陸に近い立地に加え、「大都会」にはない豊かな自然や適度な利便性、庶民的な物価といった特長が受けているのだという。新興企業の育成を経済成長策の柱に据える市も誘致に本腰を入れ始めた。彼らの目に映る福岡の魅力とは――。(林航)

海を見ながら

 博多湾に面した福岡市西区にある共有型のシェアオフィス。パソコンに向かっていたのは、韓国出身の起業家チョン・ソンウクさん(39)だ。普段は市中心部の共有オフィスを拠点にしつつ、場所を変えることで気分転換を図っているといい、「海を見ながら落ち着いて仕事ができる」と満足げだ。

 元々は韓国で会社員として働いていたが、2年前に独立。現在はAI(人工知能)を使った研究者向けの教育アプリを開発している。今年に入ってからベトナムやマレーシア、シンガポールを転々とし、福岡市で4か月ほど滞在した後はさらに別の街を目指すという。

 市内の短期賃貸マンションで暮らし、毎朝、大濠公園を散歩してから働くチョンさんは「パソコンさえあれば、地元の文化に触れながら世界中のどこでも働ける」と会社勤めでは得られない利点を語る。「空港も近くて交通が便利なのに、自然が豊かで空気もきれい。人々はとても優しく、料理もおいしい」と福岡の魅力を挙げ、「ストレスを感じることなく仕事ができている。韓国へすぐに帰れるのもありがたい」と笑う。

世界に3500万人

 デジタルノマドは、コロナ禍で多くの企業が在宅勤務を奨励したことで一気に広まった。今では世界で約3500万人が「遊牧」しているとの調査もある。国内でも2022年に秋田県を拠点とする民間団体「日本デジタルノマド協会」が設立され、会員同士の情報交換や交流が始まっている。デジタルノマドを高度人材と位置づける政府も4月に専用のビザを解禁し、「年収1000万円以上」などの条件を満たした外国人は6か月まで滞在できるようになった。

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