飛行7分〝日本最短航路〟がラストフライト 北大東ー南大東間、RAC「苦渋の決断」

南大東空港で出発を待つ50人乗りのプロペラ機=3月、沖縄県南大東村(大竹直樹撮影)
南大東空港で出発を待つ50人乗りのプロペラ機=3月、沖縄県南大東村(大竹直樹撮影)

沖縄本島から東に360キロほど離れた離島間を結んでいた「日本一短い航空路線」が31日、南大東島から北大東島に到着した735便を最後に廃止された。直線距離わずか約13キロ、飛行時間約7分の最短航路として知られていた。産経新聞などで廃止が報じられると、50席しかないプロペラ機の便は予約が取りづらい〝プレミアチケット〟になっていたという。

最終便は午後2時50分ごろ、南大東空港を離陸し、午後3時5分ごろに北大東空港に着陸した。

運航する琉球エアーコミューター(RAC)によると、この路線は平成9年10月に開設され、沖縄本島の那覇空港を基点に絶海の孤島の北大東島、南大東島を経由して再び那覇へと戻るコースで運航されていた。

三角形を描くように飛ぶことから「三角運航」と呼ばれ、曜日によって逆回りのコースをたどっていた。時刻表上でのフライト時間は20分だが、産経新聞の記者が3月に搭乗した際はわずか7分20秒のフライトで、タイヤが格納されていた時間はちょうど4分だった。

日本最短航路の便からは絶海の孤島と紺碧の海を眺めることができた=3月、沖縄県北大東村(大竹直樹撮影)
日本最短航路の便からは絶海の孤島と紺碧の海を眺めることができた=3月、沖縄県北大東村(大竹直樹撮影)

使用機材は貨客混載のDHC-8-400CC型機。世界にたった5機しかない離島便向けの特別仕様で、貨物室のスペースを広げて生鮮食品などを運んできた。

8月1日以降は、南北の大東島と那覇空港がそれぞれ直行便で結ばれる。南大東島は1日1・5往復から2往復に、北大東島は0・5往復から1往復に増便となるが、両島間の航空機での移動は700キロ以上も遠回りしなければならず、地元では観光への影響を懸念する声も出ていた。

RACの担当者は「最短航路の廃止は苦渋の決断だったが、8月1日以降は直行便になり利用しやすくなるので、これまで以上により多くの人に利用してほしい」と話した。(大竹直樹)

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