旧パレスホテル立川、マンション計画から一転再びホテルに…大宴会場も残り地元財界「大きな意義」
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三菱地所レジデンスから立飛HDが土地建物取得
昨年末で営業を終了した「パレスホテル立川」(東京都立川市曙町)について、立川市の不動産開発会社「立飛ホールディングス(HD)」が4月に土地(約3600平方メートル)と建物(地上12階地下2階)を取得し、建物を改修してホテルを開業する計画であることがわかった。一時、マンション分譲大手がホテル跡地にマンション建設を計画したが、立飛HDは立川市を中心とする地域に大規模な宴会場を備えたホテルの必要性が高いと判断し、買い取った。(水戸部絵美)

パレスホテル立川は1994年、JR立川駅北口から徒歩約5分の再開発街区「ファーレ立川」内に開業した。客室数238室、レストランやバー計6店、宴会場13室を備えていた。施設の老朽化とコロナ禍の業績悪化で、2023年いっぱいで営業を終了していた。
ホテルを巡っては、「三菱地所レジデンス」(千代田区)が昨年6月、土地と建物を取得。同社は読売新聞の取材に「共同住宅建設を主体に計画を進める」と説明し、マンション建設を中心とした再開発を進める方針を示していた。だが、不動産登記簿などによると、今年4月、立飛HDに土地と建物を売却。両社は売買価格を明らかにしていない。

パレスホテル立川には立川市内で最大規模の宴会場があり、各種会議や結婚式、イベントなどが開催され、地元経済界や市民らに親しまれていた。立飛HDのグループ会社「立飛ホスピタリティマネジメント」は20年、ホテル近くの複合施設「グリーンスプリングス」に「SORANO HOTEL(ソラノホテル)」(81室)を開業したが、パレスホテル立川などとの競合を避けるため、宴会場は設けていなかった。
立飛HDの村山正道社長(73)は読売新聞の取材に対し、「これからも立川で大きな会合を開催できるバンケットルーム(宴会場)が求められている」と指摘。旧パレスホテル立川の建物は解体せずに改修し、26年をめどに宴会場を備えたホテルとして再生させる意向を明らかにした。新ホテルの名称や基本概念などは今後検討していく。
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