札幌丘珠空港、旅客最多40万人超…発着便増加で観光利用も好調 混雑で課題も

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保安検査場に行列 乗客「あずましくない」

手荷物を持った客で行列ができた札幌丘珠空港の保安検査場(4月27日)
手荷物を持った客で行列ができた札幌丘珠空港の保安検査場(4月27日)

 札幌丘珠空港(札幌市東区)の2023年度の年間旅客数が40万人を超え、ターミナルを運営する「札幌丘珠空港ビル」が1992年に開業して以降、最多を記録した。30年の滑走路延伸で、市は年間100万人の旅客を見込むが、保安検査場の混雑など利用増に伴う支障が一部で出ており、市は今年度中に、ターミナルビルの機能強化に向けた基本計画をまとめる方針だ。(中尾敏宏)

 「まもなく締め切りですので、お急ぎください」。大型連休初日の4月27日、空港の保安検査場では、スタッフの呼びかけが響く中、30人近くの客が列を作った。レーンは1か所しかなく、列はなかなか進まない。函館市の会社役員男性(70)は「最近は混み合う日もあるから、時間がぎりぎりになると、あずましくない(落ち着かない)ね」とこぼした。

 市中心部から約6キロと利便性の高い丘珠空港には、23年3月に名古屋小牧便、同10月に根室中標津便と秋田便、24年1月には新潟便が新規就航。1日最大48便が発着し、22年度の32便から1・5倍になった。23年度の旅客数は43万9127人で、22年度(32万721人)から37%増え、全日本空輸(ANA)グループが就航していた09年度以前も上回る実績を記録した。

 同ビルの菅原直樹総務部長は「搭乗率も7割を超えている。ビジネス客だけでなく、道外からの観光利用も好調だ」と語る。一方、空港は年間38万5000人の受け入れを想定して設計され、現在は発着便の集中を避けて対応している。今後も増便が進めば、ターミナルビルは手狭となり、保安検査場の混雑や、駐車場、トイレの不足などが課題となる。

 市が22年に策定した「将来像」などによると、現在1500メートルの滑走路を30年までに1800メートルに延伸すると、1日あたりの発着便数が70便、年間旅客数が100万人に増えると見込んでいる。

札幌市、空港ビル機能強化へ

 そこで市は、30年の延伸前に、ターミナルビルの拡張を検討している。23年に空港周辺の住民に実施したアンケートでは、約4割が飲食店などの充実にも期待しており、市は今年度中にも整備計画をまとめる予定だ。

 既に混雑傾向が見られる保安検査場は、冬季の利用が落ち込むため、増設は想定せず、夏の繁忙期にスタッフの増員などで対応するという。将来的には、最新の画像解析で、手荷物にパソコンやペットボトルを入れたまま対応できる「スマートレーン」の導入も検討している。

 市空港活用推進室の小沢宏亘課長は「デジタルを活用して省力化しながら、利用客の負担を軽減していきたい」としている。

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