ANA、新たな旅行サービスを展開 航空便・宿泊予約をアプリで一元管理

新たなサービス展開を発表した「ANA X」の森田將裕旅行事業推進部長=22日午前、東京都中央区(重川航太朗撮影)
新たなサービス展開を発表した「ANA X」の森田將裕旅行事業推進部長=22日午前、東京都中央区(重川航太朗撮影)

ANAホールディングス(HD)傘下で旅行サービス事業を担う「ANA X」は22日、航空便や宿泊施設などの一括予約・管理を可能にする新サービスを展開すると発表した。個人旅行需要が高まる中、予約情報をアプリ上に集約することで、旅前や旅先での利便性向上などを図る。

個人旅行マーケットに変化

サービス展開に先立って3月26日に、旅行予約サービス「agoda」「じゃらん」との連携を発表し、全日本空輸(ANA)のサイト経由で予約できる宿泊施設を約1万2000施設まで拡大した。今回のサービスでは、航空券と宿泊施設をANAのアプリなどから検索し、一括予約・管理を可能にする。また、航空券のみを予約した顧客などに対して、旅先での宿泊施設の推薦なども行う。

背景には、個人旅行マーケットにおける変化がある。需給バランスに応じて価格を変動させるダイナミックプライシングの導入などで、価格が固定化されたパッケージプランの販売額は縮小。顧客は、航空券・宿泊施設・レジャーなどをそれぞれのサイトから予約する傾向にある。

確認の煩わしさを解消

一方で、異なるサイトから予約すると、顧客自身での確認や管理が煩雑になる。こうした課題を踏まえ、旅行予約の一元管理を可能にし、確認の煩雑性を解消する。ANA Xの森田將裕旅行事業推進部長は、「旅が個人手配に代わることを想定しているが、手配で感じる煩わしさをいかに無くすかを、この構想の価値として生み出す」との考えを示した。

今後は段階的に関連事業者との連携を拡大する。今夏にレンタカー、今年度中にアクティビティ・ゴルフなどのサービス導入を予定しており、令和8年度までにプラットフォームの完成を目指す。航空機を使わない旅行客による各種サービス予約も想定しており、従来はアプローチが困難だったANAグループ未就航地への旅行客なども取り込みたい考えだ。

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