関経連の松本正義会長 円相場は「120円前後」が適切 海外旅行やる気なくなる

記者会見する関西経済連合会の松本正義会長=15日午後、大阪市北区(井上浩平撮影)
記者会見する関西経済連合会の松本正義会長=15日午後、大阪市北区(井上浩平撮影)

15日の外国為替市場で円相場が一時1ドル=154円台まで下落したことについて、関西経済連合会の松本正義会長(住友電気工業会長)は同日の記者会見で、「国内産業の力をみると今の円相場は安すぎる。120円前後が適切なレンジ」との認識を示した。

松本氏は120円の根拠について「あまりないが、70~80円台(の超円高)も経験した経営者なので…」と説明。その上で米ニューヨークのラーメン1杯の価格は現在の円水準の場合、1杯2千円を超えるため、「海外旅行をやる気持ちがなくなる」と不満を示した。

一方、海外で生産・販売したり、海外に輸出したりした製品の売上高を円換算するだけで収益が上がるため、過去最高の売上高・利益を記録する企業は多いが、「実態とは異なるので、あまり信用しない方がいい」と持論を展開。

松本氏は「国際情勢によっては85~90円(の円高)になる可能性もある。(住友電工の)部下には85円になっても利益が出るようにしなさいと指示している。大変な努力が必要だが…」とハッパを掛けていた。(藤原章裕)

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