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海外旅行のガイドブックで知られる「地球の歩き方」の国内版シリーズで、東京23区の区域版としては初めてとなる「世田谷区」が出版された。飲食店を中心に歴史や文化など世田谷の魅力を幅広く紹介しており、観光客はもちろん、区民も楽しめる内容になっている。
発行元の学研ホールディングスのグループ会社「地球の歩き方」(品川区)は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で海外旅行が難しかった2020年に「地球の歩き方」の国内版としては初めてとなる「東京」を出版。その後も「東京 多摩地域」、「東京23区」など都内を紹介するタイトルを刊行してきた。
同社の出版編集室長の福井由香里さん(45)によると、地球の歩き方の国内版は該当地域の書店で大半が売れる傾向があり、地域住民が地元の店や遊び場などを調べることが多いという。区域版は地元住民の購買を意識して人口が23区最多の世田谷区を最初に扱い、2月29日に全国の書店で販売を始めた。
出版に向けた調査は1年2か月ほど行い、ガイドブックでは約400か所を紹介している。特に力を入れたのが約200店を掲載した飲食店情報だという。カレーの街として知られる下北沢のお薦め店のほか、区内で人気が高いラーメンやパン、町中華といった名店から気軽に足を運べる店まで網羅している。
また、観光の参考になる情報も。区内に残る「第六天塚古墳」(喜多見)や「野毛大塚古墳」(野毛)などの史跡や、イチゴやブドウといった果物狩りができる農園も取り上げている。
販売開始から2週間で増刷になるほど売れ行きは好調で、福井さんは「住宅地のイメージが強い世田谷区だが、おいしい飲食店が多いなど隠れた魅力がある。外から訪れる人はもちろん、世田谷の人が地元の魅力を再発見するのに活用してほしい」と話している。
価格は税込み2200円。