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鹿児島県内の2023年の延べ宿泊者数(速報値)が776万人(前年比27・6%増)だったことが、観光庁のまとめで分かった。新型コロナウイルスの影響がなかった19年の9割超まで回復した。一方で、外国人宿泊者数は19年比で4割にとどまっており、訪日客の誘客が課題となっている。(小園雅寛)
観光庁の「宿泊旅行統計調査」によると、全国の宿泊者数は5億9275万人(同31・6%増)で、都道府県別の1位は東京都の9730万人(同64・8%増)だった。九州では福岡県が2002万人(同43・1%増)で9位、熊本県が806万人(同27・9%増)で19位、鹿児島県は21位で前年の25位から上昇した。
県内の宿泊者数は、新型コロナ禍前の19年の836万人(確定値)に比べ、23年は7・2%減にとどまり、一定程度まで回復しているように見える。ただ、県PR観光課は、昨年開かれた国体で選手や大会関係者が宿泊したことが大きいとみる。
一方で、外国人宿泊者数は回復にはほど遠い状況だ。同年の県内の宿泊者のうち、外国人は33万人で前年比約8・8倍となったが、19年の4割にとどまっている。
県によると、新型コロナ禍前は鹿児島空港から国際定期便を週30便運航していたが、20年3月から国際線を運休。現在も韓国と香港の週6便にとどまっている。同課は「定期便の再開に向けて航空会社に働きかけるなど、訪日客が鹿児島に滞在してもらえるように取り組みたい」としている。
鹿児島市のビジネスホテル「ホテルユニオン」の淵村文一郎社長は「昨年の国体開催時がピークで、その後の宿泊者の動きは弱い」と話す。今年は国体のような大型イベントも少なく不安も残るが、「今後は海外との定期便も再開し、外国人観光客が増えるのではないか。昨年を超える宿泊者に期待したい」と語った。