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陸上自衛隊の輸送機オスプレイを佐賀空港(佐賀市)に配備する計画に関連し、駐屯地開設後に自衛隊機が滑走路を共用することを踏まえ、防衛省が空港の平行誘導路の整備に対して財政的な負担に応じることで佐賀県と合意したことが、読売新聞の情報公開請求でわかった。民間空港としての発展に向け、両者が具体的な確認事項を文書に明記したのは初めて。(小野悠紀、森陸)
文書は1月29日付。佐賀空港の将来の発展や、駐屯地開設後の空港の円滑で安全な運用などを目的に、防衛省の井上主勇・大臣官房審議官と佐賀県の落合裕二副知事の間で取り交わされた。
確認事項は3点あり、本来は空港管理者の県が主体となって取り組む平行誘導路の整備について、防衛省が応分の負担を行うことを明記。現行の2000メートルから2500メートルへの滑走路延長や平行誘導路の整備実現に向け、国土交通省と県との協議に防衛省も参加して必要な協力を実施することや、防衛省の駐屯地整備に対し、県が遅滞なく手続きを進めることも盛り込んでいる。
県によると、現状では平行誘導路の整備費は算出していない。防衛省の負担額は今後協議していくことになるという。
佐賀空港を巡っては、昨年5月、山口知事と当時の浜田靖一防衛相が会談した際、民間空港としての発展に支障が出ないよう連携することで合意。その後、防衛省と県の事務方で具体的な方策を協議してきた。
県が2月に策定した「佐賀空港がめざす将来像2024」では、駐屯地が2025年7月に完成し、自衛隊機の離着陸回数が年間約1万7000回と見込まれていることから、平行誘導路の整備に取り組むと記載している。
県政策部の担当者は「防衛省との連携できる事項について指針ができたので、文書に基づいて進めていきたい」としている。
◆ 平行誘導路 =滑走路と平行して設置される誘導路。航空機が滑走路の出発点近くまで移動することができるなどスムーズに運用でき、運行回数の多い空港では、複数設置されている場合もある。佐賀空港には現在設置されていない。