千葉県、リゾートホテル稼働率全国首位 2023年75.8%
千葉県の2023年の「リゾートホテル」の客室稼働率が75.8%となり、全国首位だったことが観光庁の調査報告(速報値)で分かった。東京ディズニーリゾート(TDR)や房総半島がある「観光県」としての面目躍如といえそう。2位はユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)などを抱えインバウンド(訪日外国人)で盛り上がる大阪府(69.7%)だった。
同調査は「旅館」「リゾートホテル」「ビジネスホテル」「シティホテル」と「簡易宿所」の5分類。旅館の首位は香川県(稼働率49.1%)、ビジネスホテルが東京都(同79.9%)で、シティホテルは大分県(74.3%)、簡易宿所は大阪府(52.5%)が最も高かった。
千葉県の場合、観光客の利用も多い「ビジネスホテル」の稼働率は一転して63.7%と全国35位に低迷した。「泊まらずに東京に帰宅できる」という側面もあろうが、同じく東京に隣接する神奈川県(3位、75.6%)や埼玉県(19位、68.7%)とは差がついた。
「リゾート」の3位以下は、奈良県、神奈川県、沖縄県と屈指の観光地がある県が並んだ。
宿泊施設全体合算の稼働率ランキングは東京都が首位で、大阪、福岡、広島、愛知と大都市を抱える都府県が並んだ。千葉県は7位(60.5%)だった。新型コロナウイルスの5類移行に伴い、山口と宮崎両県を除く各都道府県で2022年よりも稼働率が上昇した。
調査にあたって観光庁は、旅館は「和式の構造・設備を主とする」、リゾートは「行楽地や保養地に建てられ、主に観光客対象」、ビジネスは「主に出張者対象」、シティは「リゾートやビジネスホテル以外の都市部に立地」などと分類。簡易宿所には「宿泊所を多数で共用する構造で、ベッドハウスや山小屋、カプセルホテルなど」が含まれる。
約2万件の調査対象に対して回収率は50%強。個別施設の稼働率などは外部公表しないと観光庁は調査時に約束している。
(佐藤大和)
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