大阪・関西万博の前売り入場券販売開始から3か月、販売枚数は65万枚で目標の4・6%

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 2025年大阪・関西万博の前売り入場券の販売開始から3か月が経過した。これまでの販売枚数は約65万枚で、前売り目標1400万枚の4・6%。半分の700万枚は、経済界主導で企業に販売するめどがほぼついたとされる一方、一般向けは進んでいない。日本国際博覧会協会(万博協会)は、来場日の予約が可能になる今年10月以降の売れ行き加速を見込むが、機運が盛り上がるかは不透明だ。(上野綾香、猪原章)

万博入場券を販売する日本旅行の窓口。店頭販売を行う企業はまだ少ない(2月26日、大阪市北区で)=長沖真未撮影
万博入場券を販売する日本旅行の窓口。店頭販売を行う企業はまだ少ない(2月26日、大阪市北区で)=長沖真未撮影

■「超早割」が大半

 入場券は開幕500日前にあたる昨年11月30日に販売を開始。万博協会は半年間の会期で2820万人の来場を見込み、来年4月13日の開幕までに1400万枚を販売する目標だ。

 2月28日時点の販売枚数は計64万6517枚。内訳は、会期中に1回入場できる「超早割1日券」(大人6000円)が約59万枚と大半で、会期前半に利用可能な「前期券」(同5000円)が約3万枚、開幕後2週間有効な「開幕券」(同4000円)が約2万枚と続く。

 16か月の前売り期間の約5分の1が過ぎた段階で、販売枚数が目標の4・6%という状況だが、企業向けの700万枚は、関西経済連合会の松本正義会長(住友電気工業会長)が「ほぼ買い手のめどがついた」と明言。万博協会は「企業分は今後、手堅くさばけるはず」と期待する。

■「本番は秋」

 05年の愛知万博では、開幕1年前の時点で前売り目標の9割近い700万枚超を販売済みだった。今回はこれよりスローペースだが、万博協会の木村和昭・入場券部長は「織り込み済み」とする。

 理由の一つが、「並ばない万博」を実現するため、入場日やパビリオンを予約制とし、その予約開始時期を今年10月に設定したことだ。入場券をいま購入しても、予約手続きは10月まで待たねばならず「現段階では控えている人も多いはず」との見立てだ。

 入場券の販売開始が昨年11月末だったのは、修学旅行など早めに予定を決める団体向けに「値段を示す」意味が強く、木村部長は「一般向けの販売は10月からが本番」と強調した。

 もう一つが、愛知万博と異なり、大手旅行会社に買い取りを求め、そこから一般に販売する仕組みをとっていないことだ。

 愛知でのこの時期の700万枚超は、買い手の多くがまとめて購入する旅行会社や企業だった。

 買い取りを見送ったのは、当時の紙製のチケットから電子チケットになった事情が大きい。万博協会のサイトから個人が直接購入でき、必ずしも旅行会社を通す必要がなくなった。

 ただし、買い取りを求めないことで、旅行会社の販売へのインセンティブ(動機付け)が弱まる恐れもある。今回の万博では現時点で旅行会社など30社が入場券を扱う予定だが、今は自社ホームページでの販売が中心で、店頭で扱うのは日本旅行1社のみだ。

■機運は低下

 万博協会では販売強化を求める声も出始めている。

 2月上旬に非公開で行われた協会理事会には、理事である関経連や大阪府・市のトップも出席。「ネット販売ではお年寄りに届かない」との苦言や、「旅行会社への枚数割り当て」「コンビニでの販売」をするべきだとの意見が出た。

 大阪府・市が昨年12月に全国の6000人を対象に実施した調査では、万博に「行きたい」「どちらかといえば行きたい」との回答は33・8%にとどまった。1年前は41・2%で、万博協会は23年度中に45%に引き上げる目標だったが、逆に7・4ポイント下がった。

 万博は運営費の8割超の約970億円を入場券収入で賄う。売り上げが伸び悩めば赤字となり、国や大阪府・市が穴埋めの財政支出を迫られる恐れもある。

 大阪市の横山英幸市長は1日、取材に対して「今の販売枚数が少ないとは考えていない」との認識を強調した上で、「購入しにくいとの声もある。課題を解決しながら販売促進に取り組みたい」と話した。

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