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福岡市名物「屋台」に宿泊客の5割「行った」、経済効果は倍増…観光の目玉支える「公募店」

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大勢の観光客らでにぎわう屋台(23日、福岡市博多区で)=秋月正樹撮影
大勢の観光客らでにぎわう屋台(23日、福岡市博多区で)=秋月正樹撮影

 福岡市の名物・屋台街を巡って、市の公募で営業を始めた屋台の割合が全体の4割となった。公募制を導入した市屋台基本条例の制定から約10年間で経営者の入れ替わりが進んだ。マナーの悪さから、迷惑施設のように扱われた時期もあったが、ルールやトイレなどが整備され、イメージも向上した。近年の公募の倍率は5倍に達しており、観光の目玉に生まれ変わりつつあるようだ。(林航)

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 「もつ料理がおすすめですよ」。23日午後8時過ぎ、福岡市博多区中洲中島町の屋台「博多屋台 繋々つなつな 」店主の小川達也さん(25)が客に語りかけた。公募屋台の「4期生」で昨年7月にオープン。もつや明太子を使った料理や、焼酎を充実させ、福岡らしさを演出している。

屋台「繋々」を経営する店主の小川さん(23日、福岡市博多区で)=秋月正樹撮影
屋台「繋々」を経営する店主の小川さん(23日、福岡市博多区で)=秋月正樹撮影

 大学時代、中洲の屋台で4年間アルバイトした。企業に就職したこともあったが、知人の紹介で公募を知り、迷わず手を挙げた。

 屋台の公募は、区画が一定数空いた段階で実施され、関係法令や福岡の観光に関する筆記試験や面接試験を経て選考する。屋台の営業ルールなどを定めた「屋台基本条例」が制定された2013年7月以降、計4度の公募が行われ、40軒が新たに営業を始めた。今では公募屋台が全体(103軒)の約4割を占める。

 市によると、直近の公募の倍率は5倍となり、競争率は上がっている。ジビエや蒸し物など、多様な料理を用意する店も増えた。

 松山市から出張で訪れ、友人と来店した会社員(42)は「気さくな雰囲気で、料理も絶品だった。また来たい」と笑顔だった。

 小川さんは「屋台を通して福岡の良さを知ってもらいたい」と意気込んだ。

 終戦後まもなく始まったとされる屋台は、最盛期の1960年代には400店以上が軒を連ねた。市民に愛される一方、騒音に加えて、テーブルで通路がふさがったり、ラーメンのスープを側溝に流すなどの行為が横行したりしたことから県警や市は営業権を「原則一代限り」に規制してきた。

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