欧州エアバス、23年の純利益11%減 航空機納入拡大

【パリ=北松円香】欧州エアバスが15日発表した2023年12月期決算は純利益が前の期比11%減の37億ユーロ(約6100億円)だった。民間航空機の納入は大きく伸び、売り上げは回復基調にあるものの、過去の受注案件の評価損がかさんで利益水準を押し下げた。
売上高は前の期比11%増の654億ユーロだった。民間航空機の納入は735機と前の期(661機)比で回復した。サプライチェーン混乱の影響が懸念されていたものの、従来開示していた予測を上回った。新規受注も2094機と前の期の2.6倍に膨らんだ。ヘリコプターや防衛部門なども新規受注は順調だった。
23年12月期の配当は前の期と同水準の普通配当1.8ユーロに加え、1株あたり1ユーロの特別配当を実施する。ギヨム・フォーリ最高経営責任者(CEO)はこの日発表した声明で23年12月期業績は「事業環境の複雑さを踏まえると大きな成果だった」と振り返り、特別配当は業績動向を反映したと説明した。
24年は民間航空機の納入を800機と想定している。