道は、体験型観光「アドベンチャートラベル(AT)」を目当てに北海道を訪れる外国人客の増加を目指し、昨年創設した新たなガイド資格の普及に力を入れる。取得者を2025年度末までに現在の4倍の延べ100人に増やす。既存のガイドは英語に苦手意識を持つ人が多く、語学力向上を通じて質と量の両立を図る。
新たな資格は「北海道アドベンチャートラベルガイド」。昨年9月に道内で初開催された国際イベント「アドベンチャートラベル・ワールドサミット(ATWS)」に合わせて創設した。道が02年に始めた既存のアウトドアガイド資格や関連の民間資格を取得していること、一定日数の実務経験があることが要件で、知事が認定する。
カヌーやスキーなどアウトドア体験を案内する「アクティビティガイド」(10分野)と、旅程管理などを担う「スルーガイド」に大別され、1人で複数分野の資格を持てる。
今年1月末時点の取得者は「アクティビティガイド」が延べ25人(実数14人)、「スルーガイド」が2人で、合計延べ27人(実数16人)にとどまる。
ATは欧米の富裕層を中心に人気が高く、ガイドは新たな資格を取得することで外国人客などから仕事の依頼が増えると期待される。
ただ、既存のガイドを対象とした道のアンケートの中間報告によると、8割が「英語が不得意」と答え、人数の確保とともに語学力向上が課題となっている。
道はガイドの団体などを通じて資格取得を呼び掛けるほか、北海道観光振興機構と連携して無料の英会話講座を開設する。道は「技能向上につながる講座や研修を充実させていきたい」(観光振興課)とし、受け入れ体制の強化を進める。(小宮実秋)
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