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南国交通(鹿児島市)は、鹿児島県長島町内で運行する路線バス3路線について、9月末で廃止する方針を決めた。運転手不足や新型コロナによる経営悪化が主な理由という。町は「代替の移動手段を確保したい」としている。(小川晶弘)
同社によると、廃止予定は、同町と同県阿久根市、同県出水市をそれぞれ結ぶ路線の町内の区間。両市内の区間に変更予定はなく、観光路線を兼ねた出水・天草ロマンシャトルバスは存続させる。
3路線は1日あたり最大4便運行し、通勤通学や通院、買い物で利用されている。町によると、平日朝に運行するバスには、多い日で1便あたり30人程度が乗車する。
同社によると、町内路線の運転手は60~70歳代で、求人をかけても集まらない状況が続く。さらに、新型コロナや過疎化による利用者の減少も重なったという。
国土交通省によると、全産業平均(2022年)と比べて全国のバス運転手の平均年齢は9・7歳高い53・4歳。月の労働時間は16時間長い193時間に上る一方、年間所得額は399万円で98万円低いという。
日本バス協会の試算では、運転手の労働時間の規制が強化される「2024年問題」もあり、運転手が24年度に2万1000人不足するとされる。県バス協会の山口重幸事務局長は「運転手不足で便数が減り、利用者も減るという悪循環に陥っている」と指摘する。
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