米スピリット航空、売上高5%減 10〜12月
【ニューヨーク=西邨紘子】米格安航空会社(LLC)大手のスピリット航空が8日発表した2023年10〜12月期の決算は、売上高が前年同期比5%減の13億2176万ドル(約1969億円)だった。最終赤字は1億8365万ドルで、同業他社との合併計画を巡る特別支出を計上した前年同期の2億7066万ドルから縮小した。
主力の米国内線の運賃下落が影響し、乗客1人あたりの売上高は前年同期から15%減った。テッド・クリスティ最高経営責任者(CEO)は、足元で国内運賃の価格が「上向いている」と指摘。24年後半に向けて収益改善が見込めるとした。
スピリット航空は21年7〜9月期の最終黒字を最後に9四半期連続で赤字を計上しており、経営再建が急務だ。規模拡大を目指し22年には競合の米ジェットブルーによる買収に合意したが、米連邦地方裁判所がこの買収を認めない判断を下し、事業戦略の立て直しを迫られている。
同社は1月、25年に返済期限が迫る11億ドルの債務について、借り換えを検討する方針を公表した。クリスティCEOは決算説明会で投資家に対し、財務状況の健全化に向けて手元資金を十分に確保していると強調。一部で浮上した経営破綻の懸念について「見当違いだ」と強く否定した。
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