<独自>世界遺産西表島の観光客案内制限条例は「違憲」 ツアー会社が沖縄県竹富町提訴へ

沖縄県・西表島のマングローブ林
沖縄県・西表島のマングローブ林

世界自然遺産に登録された西表島(沖縄県竹富町)にツアーガイドが案内できる観光客を制限した同町の条例は営業の自由を保障する憲法に違反するなどとして、地元のツアー会社が町に制限の取り消しを求めて週明けにも、那覇地裁に提訴することが7日、関係者への取材で分かった。

竹富町は法的拘束力のある観光案内人条例に基づき、ガイドの免許制度のほか、ガイド1人が1日に案内できる観光客を8人、ツアー会社単位で16人に制限している。

関係者によると、提訴するのは地元最大手のツアー会社「NASH」で、事業規模の異なる業者に一律で案内客数の制限をかけることには合理性がなく、「条例の真の目的は小規模の地元業者の保護にある」と主張。条例によって利益が侵害されたとしている。

同社の奥田光三郎社長は産経新聞の取材に、条例制定前は1日で200人以上を案内するときもあり、90%以上の顧客減が想定されると説明。「環境保護のために観光客全体に対する総数制限であれば理解できるが、町の条例は大規模事業者を狙い撃ちにした不平等なものだと感じる。事業者単位で制限をかけても、他の事業者に観光客が流れるだけで意味がない」と訴えている。

竹富町は「訴状が届いておらず、内容も分からないのでコメントしようがない」としている。

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