米ジェットブルー、10〜12月赤字3400億円 平日弱含む
【ニューヨーク=西邨紘子】米格安航空会社(LCC)のジェットブルー航空が30日発表した2023年10〜12月期の決算は、売上高が前年同期比約4%減の23億2500万ドル(約3400億円)だった。最終損益は1億400万ドルの赤字(前年同期は2400万ドルの黒字)に転じた。連休などピーク需要は好調だったが、週の中日などオフピーク需要が弱含み、収益を押し下げた。
旅客収入は約5%減の21億6600万ドルだった。特別項目を除いた1株あたりの赤字は0.19ドル(前年同期は1株あたり0.22ドルの黒字)で、1株あたりの赤字幅は市場の予想よりも少なかった。
24年12月通期については、売上高で「前期比横ばい」と予想した。保有航空機のエンジン補修に伴う一時的な旅客能力縮小などを理由に挙げた。
ウルスラ・ハーレー最高財務責任者(CFO)は、希望退職者の募集を含め「追加のコスト削減機会を慎重に検討している」と説明した。24年から27年にかけて航空機に25億ドルの設備投資を予定していたが、28年以降に先延ばしする。
ジェットブルーは22年、規模拡大を目指して同業の米スピリット航空買収を発表した。当初は24年前半の手続き完了を目指していたが、24年1月に米連邦裁判所が消費者への不利益を理由に阻止判決を下した。ジェットブルーは控訴を決めたが、買収の実現が危うくなっている。
次期最高経営責任者(CEO)に指名されたジョアンナ・ジェラティ最高執行責任者(COO)は投資家に対し、スピリット航空との合併がなくても「事業の黒字化を目指す」と強調した。利幅引き上げに向け高付加価値サービスの拡充などを進める方針を示した。
低調な業績先行き見通しを受け、30日の米株式市場でジェットブルー株は急落した。前日終値比の下げ幅は一時7%を超えた。
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