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東京・羽田空港で今月2日、日本航空機と海上保安庁機が衝突、炎上した事故を受け、中部国際空港で緊急安全対策が始まった。国土交通省が9日にまとめた対策に基づき、同省中部空港事務所と空港会社が、滑走路の誤進入防止に向けて、5分野で緊急着手した。
滑走路と誘導路の境、進入手前の路面に施している12か所の黄色の停止位置標識を、パイロットの注意をひきやすいように高輝度の塗料で塗り替えた。事故があった羽田C滑走路に続き、中部では14日未明に実施した。
管制塔では、誤進入があった際に知らせるモニターを設置していたが、17日から画面を監視する担当者を常時配置する運用に改めた。さらに、離陸順をパイロットにあらかじめ伝達するのは15日に中止した。また、パイロットと管制官による緊急会議を近く開催して、管制用語の改善など両者の交信内容を検討する。
中部空港では2007年11月、中国南方航空機が、管制官指示の「待機」復唱後に滑走路へ誤進入し、全日空機が着陸をやり直す事案が発生している。同空港は旅客機や貨物機のほかプライベートジェット機が使用。さらに国交省の検査機や第4管区海上保安本部のヘリコプターが常駐し、パイロットの訓練飛行も随時行われ、1日平均で、19年度は309回、22年度は190回の離着陸が繰り返されている。