富士登山鉄道構想に反対が63%、山梨県富士吉田市アンケート「計画中止要望を検討」

「計画中止の要望を検討」と定例会見で語る山梨県富士吉田市の堀内茂市長=11日、山梨県富士吉田市(平尾孝撮影)
「計画中止の要望を検討」と定例会見で語る山梨県富士吉田市の堀内茂市長=11日、山梨県富士吉田市(平尾孝撮影)

山梨県富士吉田市は11日、山梨県が推進する「富士山登山鉄道構想」の賛否を問うアンケートで、全国全体で63%が反対し、同市民に限っては、さらに多い86%が反対しているとの結果を発表した。同日開催の定例会見で、堀内茂市長は結果に対し「今後、地元の関係者の意見を聞いたうえで、県に(登山鉄道)計画中止をお願いする要望書の提出を検討したい」と、同構想への反対姿勢を改めて明確にした。

この調査は、同市のホームページなどから回答するもので、昨年10月17日から今年1月10日までの期間で実施。総回答数は1万4182人で、このうち富士吉田市の回答者は1495人だった。

調査担当者は「登山鉄道構想を知っている人や富士山の登山経験者のほうが反対の比率が多い」と、傾向を説明した。自由記述では反対意見として「日本の宝を勝手に壊してはいけない」「霊峰を傷つけるべきではない」といったものが多い。一方、賛成意見では「観光の起爆剤になる」といった期待を寄せるものもあった。

この結果を受け、同市では2月に、山小屋や案内人組合、観光団体などの関係者の意見交換会を開き、そのうえで同構想への反対姿勢を明確にする考え。

登山鉄道構想は、来訪者数管理などに目的に、麓から富士山5合目までを結ぶ富士山有料道路(富士スバルライン)上に、次世代型路面電車(LRT)を敷設するもので、長崎幸太郎知事が昨年の知事選の公約にも掲げていた。

11日の会見で堀内氏は来訪者数管理は、「(麓の)富士山パーキングと5合目をEV(電気自動車)型のシャトルバスにスバルラインをほぼ限定すれば十分だ」と説明した。

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