山口県下松市・笠戸島の宿泊施設跡地にリゾートホテルや商業エリア…2026年開業目指す
完了しました

解体工事中の山口県下松市・笠戸島の宿泊施設、笠戸島ハイツ跡地について、民間事業者による活用を計画している市は公募の結果、リゾートホテルや商業エリアの整備を提案した市内の会社「高山石油ガス」を優先交渉権者に選定した。市は年内に同社と基本協定を結び、2026年のグランドオープンを目指す。(河村輝樹)
同社の提案によると、市有地の跡地(1万4752平方メートル)を有償で借り受け、木造平屋のリゾートホテル(30室)を建設。個室露天風呂付き客室はすべて海に面した造りで、夕日の名所として知られる島の絶景を満喫してもらう。
観光客がくつろげるレストランやエステ、展望台といった滞在環境も充実させる。また、商業エリアにはカフェなどのテナントを誘致するほか、住民と連携した定期的なイベントも開催し、にぎわいの創出を図るという。
施設の基本方針について、同社の担当者は「観光客はもちろん、地域で暮らす人々が集える場となる交流拠点としての機能も充実させた」としている。
市によると、9~10月に公募型プロポーザル方式で事業者を募ったところ、同社のみが参加。有識者らでつくる審査委員会の委員7人は11月下旬、観光資源の有効活用や地域貢献など10の評価項目について、各委員が150点満点で採点した。その結果、計1050点満点中801点で、基準となる630点を大きく上回った。中でも「観光振興への寄与」の項目(配点20点)は計140点満点中117点で、高評価だった。
同社は来年以降に事業計画を作成し、市と跡地の賃貸契約を交わす予定。市財政課は「コロナ禍の影響で跡地の活用策がなかなか決まらなかったが、ようやく島の観光振興が前進する」と期待を寄せている。