ヤマト・JAL、国内4路線で貨物専用機 24年4月から
ヤマトホールディングス(HD)と日本航空(JAL)は20日、貨物専用機「フレイター」の運航を2024年4月11日に始めると発表した。JALグループの格安航空会社(LCC)、スプリング・ジャパン(千葉県成田市)が国内4路線で運航する。長距離輸送の受け皿として取り入れ、トラック運転手の人手不足に対応する。
欧州エアバスの小型貨物機「A321-200 P2F」をリースで3機導入する。東京(成田・羽田)―北九州間や東京―新千歳間を往復するほか、成田発・那覇行きと那覇発・北九州行きも運航し、1日21便体制とする。ヤマトの宅配便サービス「宅急便」に加え、法人向け貨物などを輸送する。
1機あたりの最大搭載重量は28トンで、10トン車5〜6台分に相当する。機内の床にはレールを取り付け、荷物の積み込み・積み下ろし作業をしやすくした。24年4月からトラック運転手の時間外労働に上限規制が適用される「2024年問題」に備える。
ヤマトHDとJALは同日、フレイターの1号機を成田空港で報道公開した。ヤマト運輸の鈴木達也執行役員は「ネット通販の普及により荷量は今後も増え続ける」とし、「トラックや鉄道、航空などを組み合わせて安定輸送の確保につなげる」と話した。
▼物流2024年問題 2024年4月からトラック運転手の時間外労働が規制強化されることに伴い生じる問題。1カ月の時間外労働の上限は平均80時間に制限される。現行基準の残業上限から19時間短縮する計算で、東京―大阪間の往復輸送時間に相当する。事業者は運行本数を減らすかドライバーを増やす必要があり、最大4割が倒産・廃業するとの見方もある。