羽田のスマートシティーが全面開業 先進技術訪日客にも
羽田空港に隣接する大規模複合エリア「羽田イノベーションシティ」(HIシティ、東京・大田)が16日、全面開業した。自動運転バスやロボットなど先進技術を取り入れた次世代の街づくりを目指す。訪日外国人(インバウンド)を呼び、日本の技術を広める狙いもある。
鹿島が京浜急行電鉄などと出資する羽田みらい開発(東京・大田)が手掛けた。HIシティは2020年、羽田空港施設跡地で一部エリアが先行開業した。このほど先進医療施設やホテル、アート発信拠点が入居する建物が新たに完成した。京急と東京モノレールの天空橋駅に直結する約5.9ヘクタールの敷地に商業施設やライブホールなどを備える。
年間400万〜500万人の来訪を目指す。羽田みらい開発の加藤篤史SPC統括責任者は「企業と企業を結びつけてイノベーションを作り出していく取り組みを5年、10年かけてより大きくしていきたい」と語った。
鹿島は羽田みらい開発の筆頭株主としてHIシティの建物の設計・施工を手掛け、建物の運用や維持管理にも携わる。空間の3次元モデル上で人流や交通、サービスロボットの運用状況などのデータを解析し、施設運営やイベント、新規事業に活用する。
建設大手では清水建設がIHIや三井不動産などと「豊洲スマートシティ」(東京・江東)を手掛けるなど、異業種と大規模開発をする動きが広がっている。