空飛ぶクルマ、初の2地点間の有人飛行　大阪府で実験へ

大阪府の吉村洋文知事は9日、2025年国際博覧会（大阪・関西万博）で実用化を目指す「空飛ぶクルマ」と呼ばれる電動垂直離着陸機について、23年度中に府内で2地点間飛行の実証実験を行うことを明らかにした。パイロット操縦による2地点間の飛行は国内初になる。

3月には大阪城公園（大阪市）で丸紅などが、操縦者が乗り込む屋外飛行を実施した。次回の実証実験の場所や時期については検討中としている。

吉村知事は9日の定例記者会見で「安全性の課題を実証飛行などを通じて乗り越えていきたい」と発言。大阪・関西万博で空飛ぶクルマの商業運航を実現させることに改めて意欲を示した。

空飛ぶクルマは滑走路がなくても離着陸でき、地上の交通渋滞に左右されることなく移動できる利点がある。大阪・関西万博での商業運航に向けて、ANAホールディングスや日本航空、丸紅、スカイドライブ（愛知県豊田市）などが準備を進めている。大阪・関西万博の会場である大阪市の人工島・夢洲（ゆめしま）にある発着場と同市内外の数カ所のポート間を結んで運航する予定だ。

国土交通省によると、操縦者が乗り込んだ空飛ぶクルマが2地点間を飛行する実験は現時点ではまだ国内で実施されていない。