23年度上半期の国際収支、過去最大の経常黒字12兆7064億円…資源価格の下落や訪日観光客の回復

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 財務省が9日発表した2023年度上半期(4~9月)の国際収支統計(速報)によると、海外とのモノやサービスの取引状況を示す「経常収支」の黒字額は、前年同期の約3倍となる12兆7064億円だった。資源価格の下落による貿易赤字の縮小や訪日観光客の回復もあり、半期ベースとしては比較可能な1985年度以降で最大となった。

内閣府
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 これまでの最大は、2007年度上半期の12兆4816億円だった。

 モノの輸出額から輸入額を差し引いた「貿易収支」の赤字額は1兆4052億円(前年同期は9兆1814億円の赤字)だった。原油などのエネルギー価格の高騰が一服し、赤字幅が大幅に縮小した。

 輸入額は前年同期比13・2%減の51兆266億円で、商品別では、液化天然ガスが37・9%、石炭が37・2%、それぞれ減少した。輸出は横ばいの49兆6214億円だった。半導体不足の緩和を受けて北米向けの自動車が好調で、37・9%増加した。

 企業が海外子会社から受け取る配当金などの「第1次所得収支」は18兆3768億円の黒字で、85年度以降で最大を記録した。円安を背景に、海外子会社の配当などが伸びたことや、海外の金利上昇を受けて債券の利子収入が増えた。

 旅行などモノ以外の取引を示す「サービス収支」は2兆3347億円の赤字だった。水際対策の緩和で訪日観光客の消費額が大幅に増加したことで「旅行収支」の黒字が約15倍の1兆6497億円となり、赤字幅は9537億円縮小した。

 同日発表した9月の「経常収支」も、前年同月比約3・6倍の2兆7236億円だった。エネルギー価格の一服で輸入額が18・1%減少し、「貿易収支」が2か月ぶりに3412億円の黒字になったことが影響した。経常黒字は8か月連続だ。「旅行収支」は約11・6倍の2406億円の黒字だった。

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4722616 0 経済 2023/11/09 12:12:00 2023/11/09 12:12:00 2023/11/09 12:12:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2023/11/20231109-OYT1I50065-T.jpg?type=thumbnail

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