イスラエル・ハマス衝突、観光面で近隣諸国に大きな影響=S&P

イスラエル・ハマス衝突、観光面で近隣諸国に大きな影響=S&P
 格付け会社S&Pグローバルは6日、パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスとの戦闘によりイスラエルを訪れる外国からの観光客が途絶えたとみられるものの、同国経済への影響は「最小限」にとどまっている可能性があるとの見解を示した。一方、近隣のエジプト、ヨルダン、レバノンでは大きな問題になる恐れがあるとした。カイロ郊外で10月撮影(2023年 ロイター/MOHAMED ABD EL GHANY)
[ロンドン 6日 ロイター] - 格付け会社S&Pグローバルは6日、パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスとの戦闘によりイスラエルを訪れる外国からの観光客が途絶えたとみられるものの、同国経済への影響は「最小限」にとどまっている可能性があるとの見解を示した。
一方、近隣のエジプト、ヨルダン、レバノンでは大きな問題になる恐れがあるとした。
S&Pグローバルによると、エジプトの観光収入は10─30%減少し、中央銀行が為替介入した場合は4─11%の外貨準備が失われる見込み。レバノンについては、経済が既に荒廃している中、国内総生産(GDP)が10%押し下げられる可能性があるという。
昨年の経常収支に観光が占めた割合は、レバノンが26%、ヨルダンが21%、エジプトが12%、イスラエルが3%だった。
2011年の「アラブの春」の際にはエジプトへの観光客が33%、ヨルダンでは20%減少した。
旅行代理店は、エルサレムやヨルダンのペトラ遺跡、エジプトのピラミッドなど、海外旅行者に中東地域の歴史的な場所や聖地を巡るツアーを提供しており、一国で問題が発生するとしばしば広範囲に影響が及ぶ。

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