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鹿児島県南大隅町と環境省は、大隅半島を代表する同町の観光名所「
有料化の検討対象は、雄川の滝の遊歩道(片道1・2キロ)と佐多岬公園内。このうち、雄川の滝では実証実験として11月3~5日、中学生以上300円、小学生150円(幼児無料)の料金を設定する。来場者を対象にしたアンケートも行い、有料化の是非のほか、価格設定などの意見も募る。佐多岬公園については来年度以降に議論が本格化する予定だ。
有料化を検討している理由は、毎年の維持・管理費と災害復旧費が町の財政にとって大きな負担になっているためだ。雄川の滝では維持・管理費がほぼ毎年、1000万円を超えており、2022年度は遊歩道の清掃や繁忙期の交通整理、施設の修繕などに1130万円を支出した。
さらに災害復旧費も大きくのしかかる。今年は大雨や台風による土砂崩れなどで、雄川の滝は8月10日から1か月間、佐多岬公園は7月から約2か月半、遊歩道が通行止めになった。いずれも仮復旧だけで数百万円を要したという。
町幹部は「ここ数年は毎年のように災害が起きている。通常の維持・管理に災害復旧が加わり、町の財政は非常に厳しい」と語る。
こうした事情を背景に、町は9月、地元の住民や観光・商工関係者らで構成する「観光施設利用者負担制度検討委員会」を設置し、有料化の検討を始めた。委員からは「自然を守る方策が必要」などと有料化に否定的な意見は出ていないという。
検討委の委員長を務める竹野洋一副町長は「雄川の滝も佐多岬も町にとって大切な宝だ。どうやって今後も守り続けていくか、慎重に検討していきたい」と話している。