大阪府・市、「ライドシェア」でPT発足 年内に素案作成
大阪府・市は1日、一般ドライバーが有償で乗客を運ぶ「ライドシェア」を巡り、関係部局によるプロジェクトチーム(PT)を発足させた。府内での実現に向け、課題の調査や安全対策などを検討する。11月中にも有識者会議を開催し、政府側と調整するための素案を年内に作成する方針だ。
吉村洋文知事は同日の記者会見で「タクシー以外のドアツードアの移動手段を確保しなければならない」と改めて強調した。
吉村氏は10月の府議会総務常任委員会で、2024年秋から1年間限定でライドシェアの導入を目指す方針を表明した。25年国際博覧会(大阪・関西万博)には国内外から多くの観光客らが訪れることが想定され、高まる交通需要に対応する狙いがある。
日本では一般ドライバーが有償で乗客を運ぶことは「白タク」と呼ばれ、一部の過疎地域などを除き、道路運送法で原則禁止されている。海外では広く利用される一方、日本では安全性の確保などの課題が指摘され、業界団体などが反対の立場を取ってきた。
道路運送法では「公共の福祉を確保するためやむを得ない場合」、地域または期間を限定したうえで国土交通相の許可を得れば、ライドシェアの導入が例外的に認められる。府・市は、万博期間中の導入は「公共の福祉」にかなうとして素案の主軸に位置づける方針だ。
ライドシェアを巡っては、岸田文雄首相が10月23日の所信表明演説で導入検討を表明。神奈川県も、タクシー会社が運行管理をする形式で同県三浦市での導入に向けた議論を始めている。